コンサルタント(コンサル)が書いた仕事術の本を手に取ると、必ずと言っていいほど「ロジックツリー」が書かれています。
コンサルの方たちは、軒並み高給。入社してから徹底的にこの考え方を身につけ、顧客の課題解決を通じて高給を得ているようです。
ということは、ロジックツリーを使いこなせる人=高給であるということ!?
……いや、論理が飛躍しすぎですね。
とは言え、ビジネスの世界では、毎日さまざまな課題が立ちはだかります。
コンサルが持っているロジックツリーのスキルを使いこなせれば、難しい課題もスマートに整理し、クールに片付けていく存在になれるに違いありません。
ただ、残念なことに、コンサルの本はカタカナ語が多くてわかりづらい。
今回は、ロジックツリーの考え方を、身近な事例で噛み砕いて解説したいと思います。
目次
ロジカルシンキングの基本、ロジックツリーとは?
ロジックツリーとは、問題や目的を頂点にして、その要因や打ち手を分解して、具体的にしていく思考の枠組み(フレームワーク)です。その名のとおり、論理的に、ツリー状に広がっていくことからロジックツリーと呼ばれます。
特に、問題が発生したあとに、考えられる原因を洗い出し、どの問題が重要かを考えるときに使われます。
ロジックツリーと似たようなものに、「ピラミッドストラクチャー」というものがあります。こちらは、先に「主張」があり、その主張が通るように「根拠」を置いて、しっかりと「主張」を支えるようにするものです。
ただ、ハッキリ言って見た目は同じですし、個人的には厳密な区別を理解するより、使って覚えていけば良いと思います。
身近な課題をロジックツリーで作って、使えるようになる
コンサルが書く本は事例自体が少し高度なので、そのとき何となく理解できても、自分で使えるような気がしません。まずは身近な課題で作って慣れることをおススメします。
早速やってみましょう。例えば「貯金が増えない」。
貯金が増えない理由として「そもそも給料安いんだよな〜」という人もいれば、「給料は標準的だけど、何だかんだで使っちゃうんだよな〜」という人もいると思います。両方という人も多いでしょう。
つまり、要因は「収入が少ない」「支出が多い」にありそうです。
ちなみに、お金の動きを「収入」「支出」とするとそれ以外に挙げられません。
また、「収入」と「支出」は全くかぶりません。このように、ヌケモレかぶりのない状態を、ロジカルシンキングでは「MECE(ミーシー)」と言います。
「収入が少ない」「支出が多い」だけでなく、「収入が多い」「支出が少ない」も選択肢になりますが、後者はどちらも貯金が増える要素なので、この問いかけには該当しません。
貯金が増えない要因に対しては、「収入が少ない」「支出が多い」でMECEな状態と言って良いでしょう。
さらに収入は何だろう、支出は何だろうと、ロジックツリーを分解していきます。
分解していくことで、どの項目が最も解決すべき課題なのかを見つけやすくなります。例えば「家賃が高い」を解決したい場合、この項目を頂点として、「大家と家賃交渉する」とか「引っ越す」といった打ち手を考えるロジックツリーを展開できます。
他にも、「いつも残業してしまう」「結婚相手が見つからない」とかそんな問題でもロジックツリーで展開できます(あくまで考え方として)。
MECEであることにこだわりすぎると手が止まる
ロジカルシンキングの本を読むと、MECEであることの大切さが解説されています。たしかに、議論に漏れがあると、大切な課題を見落とす可能性があります。
しかし、MECEであることにこだわりすぎると、そこで手が止まってしまい、先に進まなくなるので、まずは細かいところは拘らず、書き出してみたほうが良いと思います。
例えば、「TOEICの点数が上がらない」でしたら、私は「リーディング力が低い」「リスニング力が低い」という要素に加え、「弱点を把握していない」も加えます。
「自分の弱点を把握していない」は、TOEICテストのリーディング、リスニングとレベルが異なります。しかし、私はこのような課題もあると思い同レベルに配置しています。
賛否両論あると思いますが、課題を見つけることが大事なので、まずは気にしすぎず書き出すようにしています。
ロジックツール作成を高速化するマインドマップ&手書き
ロジックツールを作るときにお勧めしたいツールが、マインドマップです。
私は「Mind Meister」を使っています。マインドマップツールは、要素の追加、削除、親ツリーの位置変更がスムーズにできて、とても快適です。
手書きでも、方眼ノートを使えば比較的楽に作れます。
ノートを使う場合は、大きめのノートで、広めに書くようにしてください。