この記事は「社会人になっても、国語力がない」「文章をよく読まず、ミスが多い」と嘆いている方のために書きました。
私も学生時代には国語力のなさに苦労し、社会人になりたての頃もやっぱりダメだったので、よくわかります。
でも取り組めば確実に身についていきます。
私が実践したのは大学入試の「現代文」を読むことです。
ビジネス書だけでなく、あえて原点に帰って現代文に取り組み、国語力をつけました。
どうやって国語力を身につけたか、私の経験と、オススメの本を紹介していきます。
社会人の国語力向上のために「現代文」を手に取る
私はいわゆる文系型の人間だったにも関わらず、絶望的に国語ができませんでした。
暗記は比較的得意だったので、歴史などの詰め込みで受験は乗り切ったものの、社会に出てからボロが出ました。
会話のスピードについていけないし、調べものをしても要点が掴めない。
そして何より、ミスが多い。論理的思考力の欠如というより、基本的な国語力の不足という方がしっくりきます。
一方で、頭の回転が早い人は、文章や会話の内容をすばやく理解し、ミスなく対応します。
ビジネスの世界では、国語力のあるなしで大きく差がつくことを自覚しました。
遅まきながら、興味のある本だけでなく、原点に帰るつもりで「現代文」を読める本を手に取りました。
オススメは出口汪先生の「京大現代文」
現代文の解説があれば何でも良いと思いますが、私がオススメするのは現代文講師の出口汪先生の書籍です。
京大現代文で読解力を鍛える
エリート意識・権力至高の東大に対し、「自由の学風」を持ち、異才を生み出す京大。
「自由な発想」や「自由な生き方」につながるテーマの作品が選ばれています。
(東大版もあります。)
- 玩具のシンボル価値(澁澤龍彦)
- 化物の進化(寺田寅彦)
- 妄想(森鴎外)
- 望郷と海(石原吉郎)
- 学問のすすめ(福沢諭吉) など全12作品
「京大現代文で読解力を鍛える」は、京大入試で出題されたものなので難しい。
しかし、社会人ともなれば少しは読めるようになっていますし、少し難しめの文章に挑戦しないと国語力が身につきません。
でも現代文の問題なので、1テーマあたりの文章量が短く、続けられます。
この本は親切で、次のような流れで背景説明や、丁寧な解説があります。
- 作家の紹介
- 先生により出題文の背景説明
- 数ページの原文(問題文)
- 読み方・解説
- 1問だけ出題され、解説
とは言え、そこは京大現代文。最初は、やっぱり頭に入らず進みません。
でも根気強く、読み終わったあとの解説を読みながら「理解」に努めます。
一度読んで筋を知っていても、理解することを心掛けてまた繰り返し読んでいくと、少しずつ理解が深まります。
ちなみに、私は読む回数がわかるように問題文のページに、「正」の字を書いています。どの問題も「正正…」。つまり10回以上読んでます。
それだけ深刻でした。当時の私。。
この本は、重要な部分にマーカーを引いたり、関連線を引いたり、まさに学生時代に戻った感覚で使う方が良いと思います。
文章読解が苦でなくなり、速読にもつながる
同じ文章を3回、4回繰り返す中で、徐々に文のつながりが見え、全体を俯瞰するような捉え方ができるようになります。
同じ文章を読んでいるのに、最初に意識が向かなかった点に気付いたり、文学的作品の表現の巧みさに面白さを感じたりすることもあります。
さらに、繰り返していくうちに、読むスピードも上がってきます。
理解力が向上すれば、重要な部分の読み落としがなくなり、ポイントを掴むのがうまくなります。
これは、ビジネス文書の読み違えや、日常会話での理解不足を解消することにも通じるところがあります。
ビジネスに必要な国語力は継続で高まっていく
繰り返しになりますが、国語力は、簡単に身につくものではありません。
だけど積み重ねないと高まらないのも事実です。
京大現代文はチョット……という方で、もう少し文学的な作品で勉強したいならこちらも良いと思います。
やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える
この本は問題文を読む前に、目標設定されています。
①逆説的表現を理解する
②芸術への洞察力を深める
京大現代文とは違い、文章を少し細かく区切って丁寧に解説されています。最初はこちらの方がよいかもしれません。
とにもかくにも継続は力なり。
国語力向上にはこれしかありません。
他にも国語力向上のための記事を書いていますので、↓こちらもお読みください。