この記事は「どうも語彙力が足りなくて、日頃の会話や文章を書くときにつまづく」という方に向けて書きました。
語彙力とは自分が使える言葉の数であり、正しい言葉の知識です。
誤解をされたり、常識を疑われたりしないためにも、社会人であれば、常識レベルの語彙力は身につけておきたいものです。
日本語の語彙は、当たり前の話ですが、漢字と仮名で構成されているので、外国語の単語を学ぶほど難しくありません。
日頃から多くの言葉に触れ、意識的に学ぶことで増えていきます。
今回は、語彙力のない人が、言葉の引き出しを増やす方法をまとめます。
目次
語彙力を高めるメリットと、年収や出世との関係
そもそもなぜ語彙力を高める必要があるのか?
それは人として、特に社会人としての印象に大きく影響するからです。
具体的なシーンで挙げてみます。
- 相手に丁寧で誠実な印象を与えられる
- 面白い表現を知っていれば、相手を楽しませることができる
- プレゼンや論文、営業トークでの説得力が増す
- 仕事でミスしたときに相手の怒りをうまく鎮められる
- 表現の悩みが減り、文章を書くスピードが上がる など
ビジネスでは、交渉ごとやトラブル発生時にも、正しい言葉使いができるかどうかで結果が大きく変わってきます。
表現の仕方と組み合わせて、相手の心理を巧みにコントロールすることもできます。
教養があると思われることで、頭がいいと思われることもあるし、2016年のベネッセの報告を見ると、世帯年収が高いほど語彙力が高いという調査結果も出ています。
▶︎世帯年収が高い人ほど、語彙力が高い?(マイナビニュース)
この調査だけではわからないところもありますが、語彙力は教養やコミュニケーションに直結するため、出世や年収と強い相関があってもおかしくはありません。
わかっているようで、間違って覚えている日本語
日本語は奥が深く、私自身も知っているようで、間違って理解していた表現が結構あります。過剰な自信は禁物。
例えば、次のようなものです。
- あいつは気の置けない奴だ
- 昨晩ずっと資料作成に取り組み、だいぶ煮詰まってきた
- 上司はいつも、うがった見方をする
- 先輩にレポート作成を任された。内心、私では役不足だと思っている。
- 時間がないので、私の提案のさわりだけ述べさせていただきます。
どのような意味かご存知でしょうか?
頭の中で思い浮かべてみてください。
…それでは、正しい意味を書いていきます。
- あいつは気遣いの必要がない、心から打ち解けることのできる存在だ
×注意が必要な人物、×心を許せない人物 - 昨日ずっと資料作成に取り組んだおかげで、だいぶ仕上がってきた
×行き詰まった - 上司はいつも、事の本質を捉えた見方をする
×疑わしいものの見方 - 先輩にレポート作成を任された。内心、私の力量では軽い作業だと思っている。
×私の力量では到底及ばない - 時間がないので、私の提案の重要な点だけ述べさせていただきます。
×冒頭、最初の部分
これらは、間違って捉えている人が多いため、問題にならないかもしれません。しかしドヤ顔して使っていると、後輩から突っ込まれたりして恥をかきます。
アウトプットの習慣で語彙力は増えていく
語彙力は、上記で挙げたような言葉のインプットと、アウトプットで身につきます。
インプット方法を挙げると、やはり日頃の読書でしょうか。
読書家の方が、そうでない人に比べて、豊富な語彙を兼ね備えていることが多いのは事実。
ただし、読書は地道な作業過ぎて、本当に効果が出るかわかりづらいと思います。
ですので、語彙力を増やすには、アウトプットを中心にすると良いでしょう。
特に文章を書くことは、最適な言葉を探す作業であり、インプットとアウトプットを同時に行うため効果的です。
手段はブログでもTwitterでも何でも良いと思います。
自分で調べながら書き、時に人に指摘されて気付く方が、日々の読書よりも早いスピードで語彙力が高まります。
ビジネスに必要な語彙は、ビジネスマナーとして学ぶ
就職活動やビジネスで使う表現は、ビジネスマナーとして、意識的に学んだ方が良いでしょう。
学校や会社で教育してくれれば良いですが、そのような機会がない人は、書籍でビジネスに必要な語彙を学べます。
オススメは齋藤孝先生の書籍です。
大人の語彙力ノート
この本では、使いたくなる言葉をより丁寧に置き換えて紹介してくれます。
例えば以下のような例が紹介されています。
- お越しいただき → ご足労いただき
- ありがたいお言葉 → もったいないお言葉
- 反省しています → 平にご容赦ください
- 都合がつきません → あいにく都合がつきません
- 見ておいてください → お目通しのほどお願いします
- 助けていただき → ひとかたならぬご尽力をいただき
ちょっと言葉を変えたり付け加えたりすることで、印象がぐっと変わってきます。
この本で得た表現を、日々のメールや電話で使っていくことで、自分の中で生きた言葉になっていきます。
アプリでチェックする方法も
自分の語彙力をアプリでチェックするのも効果的だと思います。
例えば、クイズ形式の「毎日10問ずつ覚える語彙力クイズ600」などは、覚えることには向きませんが、スキマ時間で苦手なものをリスト化していくのに役立つと思います。