文章の書き方

文章をスラスラ書くコツ:「10倍早く書ける 超スピード文章術」

投稿日:2020年4月11日 更新日:

「私、文章苦手で書けないんだけど…」
「書いても遅いから、何か書き始めてもすぐに嫌になる…」

という方のために、文章を速く書くためのノウハウが詰まった一冊を紹介します。
その名も「10倍速く書ける 超スピード文章術」です。



10倍速く書ける 超スピード文章術

「スピード文章術の極意は、文章を書くまでの時間の使い方にある」という内容ですが、その極意を見ていきたいと思います。


文章を速く書けるかどうかは、準備で決まる

繰り返しになりますが、スピード文章術の秘訣は、書く前に念入りに準備すること。

…でもこれって、なんだか遠回りのように思いませんか?
しかし、いざ実践してみると、文章を書くトータルの時間がぐっと短くなっていくことがわかります。

同書の著者、上坂徹さんは「文章は絶対にいきなり(ゼロから)書き始めるな」と言います。 大事なのは「どう書くか」よりも「何を書くか」。
本の中でも、繰り返し準備(素材集め)の重要性を訴えています。


素早く文章を書くための準備とは

では、その準備とは何か。
次の3点を意識することが大事です。

  1. 誰に読ませるのかを意識する
  2. それを読ませる理由・目的をはっきりさせる
  3. 1.と2.が決まったところで、必要な素材を集める

もちろん、我々、書き手がめざすのは「読まれる文章」です。
誰に向けて、何を伝えるのかをハッキリさせなければ、無駄な素材集めに奔走することになります。


ターゲットを決める

例えば、目的が「交通事故防止」で、読者が「高齢者」である場合。
高齢者ドライバーが注意すべきことや、高齢者の事故原因を示すデータ高齢者が事故に合わないための方法といった素材集めが必要になります。

読者が「小学生」になった場合はどうでしょうか。
例えば、ドライバーの立場で「事故発生の原因はアクセルとブレーキの踏み違いである」と言っても、車に乗らない小学生の事故防止として、大きな効果があるとは思えません。
小学生が事故に遭う原因や、遊んでいるときに注意すること事故のおそろしさなどの素材集めのほうが良さそうです。

つまり、高齢者と小学生では、行動も考え方も大きく違うので、必要な素材が大きく変わってくるということです。

じゃあ対象者を広くとれば良いのかというと、逆にどっちつかずで自分ごとになりません。速く書けたとしても、どちらにも届かない「効果のない文章」になります。

まずは目的や読者を決めること。
難しい場合は、その対象者に近い身近な一人をイメージすると考えやすくなります。


高速に、無駄なく素材を集める方法

誰に向けて、何を書くかの目的・テーマが決まった瞬間から、素材集めが始まります。
その時に重要なのが「とにかくメモを取ること」です。

例えば、体験レポートであれば、見たもの聞いたものなど五感を使って感じたものをすべてメモしていく。
自分の頭の中で「感じたこと」であっても、建物の雰囲気であったり、景色の素晴らしさであったり、すべて「オリジナリティのあるエピソード」という立派な素材になりえます。
最終的に使われなかったとしても、素材集めの段階ではきちんとメモに残しておきます。

素材集めの高速化ツールとしては、音声録音も有効です。
移動時間に歩きながらスマートフォンに語りかけることで、素材集めが効率よく行えます。

素材はすべて箇条書きで並べ、俯瞰するとつながりが見えてきます。
最初に決めた目的・テーマ(誰に何を書く)から、枝葉のように文章の流れが生まれます。

新緑の1本の木

文章を書き慣れない人は、少しレベルが高く感じるかもしれません。
しかし、目的も素材なしでパソコンに向かい、頭を悩ませたり、何度も書き直すのは非効率です。

目的・テーマ(幹)を決めて、そのテーマにあった素材(枝葉)を見つける。そこから素材をつなげた方が、首尾一貫した文章になります。
何よりも手直しが少なく、完成までのスピードが格段に早くなります。


さらに「読ませる文章」を書くコツを伝授

この「10倍速く書ける 超スピード文章術」では、多くの人に読んでもらうポイントも詳しく書かれています。

  • スラスラ読めるリズムの作り方
  • 読者の視点で修正する方法
  • わかりにくさを潰すとっておきの方法、など

さらに、実践編として具体的なリライト事例が書かれており、これが非常に良い。
とても参考になります。

この本は、上坂さんのノウハウが惜しみなく纏められており、編集ノウハウも学べる良書だと思います。

10倍速く書ける 超スピード文章術

上坂さんのスピード文章「段取り」ノウハウに加え、さらにタイピングを高速化すれば、個人的には最強だと思います。


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