仕事が終わらない理由を「要領」や「未熟さ」を理由にしていませんか?
でも、それは本当でしょうか?
私も長年、仕事を早く終わらせようと、スピードアップや効率化のことばかり考えていました。地道に努力しながら、1秒を削るような工夫を重ねる毎日。
しかし、あるとき立ち止まって考えました。
本当に、この仕事は必要なのだろうか。常に100点をめざそうとしていないか。
この点に気づき、仕事を選別し、力の入れ方をコントロールできるようになってから、時間にゆとりが生まれました。
今回は、早く仕事を終わらせる”究極的な考え方”についてまとめていきます。
目次
「真面目」と「愚直」は生産性が低い
日本人の良さでもある勤勉な仕事ぶりは、美徳として捉えられる一方で、何でも愚直に丁寧にやるため多くの時間が掛かります。
ちなみに、日本人は先進国の中で、最も生産性が低いと言われています (2019年度の生産性は、OECD加盟36か国の中で21位。)
[参考]労働生産性の国際比較(公益財団法人 日本生産性本部)
国レベルの順位は、一人の頑張りではどうにもできません。
ただ、日本人は頼まれた仕事を一つひとつ丁寧ににやり過ぎているし、保守的でITの導入も遅い。他国と水をあけられる理由には、日本人の真面目さと技術的な遅れが根底にあると思います。
もちろん、お客さま向けの”極上のサービス”であれば、日本人の真面目さを生かした、時間と手間を掛けたおもてなしも良いでしょう。しかし、過剰な資料、形骸化されたルールも多く、それらを文句一つ言わずにやる精神性に大きな価値があるとは思えません。
IT技術は導入に時間が掛かります。でも、愚直に丁寧にこなす「真面目さ」は個人で解決(調整)できる問題です。
このマインドを変えなければ、生産性は上がらず、自分の時間は作れません。
生産性の高い人の考え方「エッセンシャル思考」
「真面目」と「愚直」を変えるために必要なマインドセットが「エッセンシャル思考」です。ひとことで言うなら、「重要なことだけに集中して成果を最大にする」という考え方です。
時間の使い方を工夫したり、作業高速化のテクニックを覚えるよりも、そもそも重要でないことは「やらない選択」をした方が、大きな成果が得られます。
無駄な時間を使わないので自分にとってメリットがあり、効果のあることに集中して時間を使うので組織にもメリットがあります。
では、どうやって「やらない選択」をするか。自分への問いかけが大事です。
エッセンシャル思考については、以下の記事まとめました。
惰性でやっている仕事は他人に任せる
仕事を頼まれた時、何も考えずに着手するとダラダラと作業しがちです。
頼まれたからと惰性で取り組むのではなく、手を動かす前に、その作業の意味を自分に問いかけてください。
- この仕事は自分がやるべき(重要な)仕事か?
- 他人に任せるか、分担できないか?
- 自分がやらざるを得ないとしても、その作業の重要な部分はどこか?
(手を抜けるところはないか) - トータルどのくらいの時間を掛けるか?
重要でないなら勇気をもって断るか、後輩が居るなら任せてしまいましょう。
人に任せることは、立派なマネジメントスキルです。
自分はより重要で価値のある仕事に時間を割けますし、後輩のスキルアップにもつながります。
プライドを持っていつまでも同じ仕事を続けるより、自分ができることは移譲して、自分のやることリストから外していかないと、新しいスキルを磨く時間が作れません。
社内資料は作らない、こだわらない
社内資料の作成となると、コストの意識が薄れ、無尽蔵に時間を使う傾向にないでしょうか?
資料のクオリティを上げて上司に褒められたところで、自分の時間を食い潰した上に、無駄なコストを使うだけ。
上司から褒められる可能性よりも、確実に自分の時間を取りましょう。
綺麗な資料を作った割に「10分読んで終了」なんてこともあります。
それであれば、資料など作らず口頭か、箇条書きのメモで良いと思います。
一時的な「褒められたい」気持ちも、自分のために捨てていきましょう。
捨てることで、新しいものを入れる余白ができる
人間に与えられた時間は、1日24時間で平等です。睡眠時間や食事などの時間を考慮すると、実質半分程度。この時間をどう使うかはその人次第です。
変化の早い現代では、新しいことを勉強し続けなければどんどん置いていかれます。そのために、意識的に時間を作っていく必要があります。
やらないことを決めて、時に捨てていくことで、あたらしい技術や知識を得る余白が生まれます。「効率化」よりも「選別」の方が、大きな余白が生まれることは、言うまでもありません。