文章の書き方

新聞を読むだけで、文章の書き方が身につく方法【文章の基礎】

投稿日:2020年4月19日 更新日:

今は無料のネットニュースがあるので「新聞なんてもういらない!」という見方が一般的だと思います。

はい。かくいう私も同じ意見です。

でも文章の書き方を学ぶと言う意味においては、「色々な文章があり、さまざまな表現が集約された」新聞を読むのはものすごく効果があります!
かつて私も、期間限定で購読するか、週に2〜3回だけ購入して文章の書き方を学んでいました。

では、どうやって読めば良いか。
記事の種類ごとに、どのようなことを意識して読めばよいかを紹介します。


文章力向上に、なぜ新聞が有効か

繰り返しになりますが、文章学習になぜ新聞が良いのかというと、あらゆるタイプの文章…政治経済・社会・コラム・広告にお悩み相談までが取捨選択されることなく1束にまとまっているためです。

ネットニュースにした場合、どうしても自分の興味ある分野を中心に斜め読みしてしまうので、情報収集は効率的である一方、文章をじっくり読まなくなります。

色々な分野・タイプの記事を読むことで、異なる文章の型や表現について意識的に学ぶことができます。もし、ライターとして仕事をするなら、得意分野だけでなく守備範囲を広げることにもつながります。


記事全般:無駄のない事実の書き方と、図表の使い方を学ぶ【客観的に書く】

まずは政治・経済・社会など記事全般の読み方です。
新聞は、客観性が求められるため、取材した内容に基づき、世界の動きを無駄なく最短で説明することが、編集者・ライターに求められます。

「いつ」「誰が」「何を」「どこで」「どのように」「何のために」 という情報(5W1H)を、主観を交えずまとめます。
例えば事件報道では…

  • 「事故がいつどこで発生した」
  • 「犯人はいつどこで捕まり、現在はどこに勾留中」
  • 「警察は犯人の動機を○○として取り調べを進めている」

こういった事実だけをつなぎます。
スペースに限りがあるため、調査の状況や、近所の人の声など、客観的な情報であっても、その事実を伝えるために無駄であるなら一切載せません。新聞記者は取材の中で集めた情報の多くを捨てています。

結論は見出しで表現します。
見出しは本当に重要で、重要な点だけに集約した表現になっています。
(ここは、記者とは別の担当が書く場合もあるようです。)

ネットニュースにも利用されるため、内容を凝縮しつつも、特に重要なところを抜き出す表現になっています。この点をチェックすることもポイントです。

また、内容説明に使われる「概念図」はとても質が高い。
限られた色数・過剰な装飾のない平面・シンプルな絵柄でも、ポイントがわかります。ゴチャゴチャしたプレゼン資料を作ってしまう人は、新聞の図から学びたいところです。


社説:書き手の「主張」と「根拠」を意識して読む【主観を交えて書く】

他の記事と異なり、社説は書き手の「主観」が述べられます。

タイトルで記者の主張は示されますが、本文の冒頭に結論(総論)、そこから根拠・詳細(各論)に流れる文章構成が繰り返し読むうちに身につきます。

これは、Webでもビジネス文書でも、書き方の基本は同じです。
ただ、新聞の場合は内容の難易度が高い文章を理解しながら、「主張」が妥当か頭で考えながら読まなければなりません。

新聞の社説の場合、批判的視点で読むことが大切です。
記者は文章のプロフェッショナルとは言え、難しい言葉で煙に巻きつつ、無理やり自分の主張につなげることもあります。
何となくわかったフリして鵜呑みにしないようにしましょう。

「アレ?なんかこの主張(根拠)苦しくね?」
「本当か?根拠となるデータ・ソースが乏しいように思うんだが…」

と感じるようになったら、きちんと内容理解できており、論理的思考力が高まっていると言えるでしょう。
書き手の思想を刷り込まれないように、注意せねばなりません。


広告:目に止まった理由を考える【惹きつける文章】

記事とはまた違ったタイプの文章が広告です。

新聞広告は企業などのイメージ広告や、旅行や書籍、通販などの商品広告、記事のように見せた記事体広告などが載っています。気になったものがあれば、なぜ気になったのか、理由を考えてみると良いでしょう。

広告のタイプによって、文章の書き方が全く違いますし、キャッチコピーと写真・イラストの使い方で学ぶところがあると思います。


コラム:達人の文章力を堪能する【企画力・構成力・表現力】

1面のコラムは、最もベテランで腕の立つライターが限られた文字数でその力を発揮するスペースです。

私が特に好きなのは讀賣新聞。まったく次元の違うものを現代という事象になぞらえて、そのときの思いを綴り、余韻を残します。
ただ、讀賣新聞のコラムに関して言えば、ビジネス文書からは程遠く参考になりません。。

これは、長い経験と見識の深さによってなしえるものだと、純粋に文章を楽しむようにしています。


新聞は日経新聞でOK

基本的にどの新聞でも良いのですが、私は日経新聞で良いかと思います。

それは単に情報が多いのが日経新聞だからです。
政治的な主張(右寄り・左寄り)の強いものでバイアスが掛かるより、経済動向、海外の同行、AI・5Gなどのテクノロジーの情報が多いものの方が、文章を磨く上では参考になります。

購入する曜日は火曜日〜土曜日(特に土曜日)がオススメです。
月曜は休み明け、日曜は前日に続く休日となり、 情報の新規性・厚みがなくなるためです。

文章力をつけたい方、通勤時間にもできるやり方なので、 参考にしてみると良いかと思います。

-文章の書き方
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

スティーブ・ジョブズ、驚異のプレゼンの極意とは?【ストーリーの考え方】

「ジョブズのようなプレゼンをしたい」 スティーブ・ジョブズが亡くなって長い年月が経つというのに、今もその名がプレゼン上手の代名詞(形容詞)となっています。 「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」は、 …

売れないセールスコピーと、売れるセールスコピーの違いとは?【例文で説明】

以前の記事で、名著「ザ・コピーライティング」を元に、売れるセールスコピーの要素をまとめました(詳細はこちら)。 今回は、注目されないセールスコピーの問題点を知ることで、売れるセールスコピーの書き方を学 …

文章力を鍛えると、仕事ができる人になり、年収が上がる話【6つの効果】

今回は、文章力を鍛えると、仕事においてどのような効果があるのかをまとめます。 先日、プログラミング教室「TECH::EXPERT」を運営するマコなり社長の過去動画「文章力は年収で決まる」を見ていました …

「Google流資料作成術」:プレゼン&資料でわかりやすくデータを見せる方法

世界の超一流のエリートが集まるテクノロジー企業Google。彼らのクリエイティブな&生産性の高い仕事術は、多くの書籍にまとめられています。 彼らは資料の作成にも力を入れており、ビジュアル化の技術につい …

プレゼンテーションzen流プレゼン構成の作り方【ストーリーは手書き】

文字だらけのプレゼン資料を作ってしまって、結局伝わらなかった……。スティーブ・ジョブズのようなプレゼンなんて、素人がやってもできねーよ。 と思う方、「プレゼンテーションzen」を読んでください。 プレ …