文章の書き方

論旨をわかりやすく伝えるパラグラフライティングとは?【文章の書き方】

投稿日:2020年8月15日 更新日:


「わかりやすいビジネス文書や論文が書けない」
「いつもダラダラ書いてしまい結局意味不明な文章になる」

そんな方のために、今回は「パラグラフライティング」を解説します。

パラグラフとは「段落」と訳されますが、本文の中で「課題」「調査結果」「解決策」のように分けられる各パートでの書き方を指すと考えて良いでしょう(各パートには複数の段落が含まれます)。

では、この目次に示す流れで解説していきます!


大前提!全体構成をしっかり立てること

文章をパラグラフライティングで書き始める前に、全体構成になる目次を必ず立て、論理の流れやレベル感に問題がないか確認してください。
例えば、次のような箇条書きから入ると良いでしょう。

(例)「当社での事業モデル見直しの必要性」を社内提案する文書の構成案

  • 現状の課題
    コロナウィルス発生や市場環境の変化(競争激化)
    既存事業の先行きが見通せない
  • 新しい事業モデル(案)
    課題を受けてオンライン/リモートに対応したモデル図
    顧客ニーズや自社の強み、社会的意義にも言及
  • 新しい事業への移行と組織文化への変革
    古い体制・体質ではスピード感が出ない
    テクノロジーなど外部からの知見の取り込み
  • 新しい事業モデルの実現プロセス
    必要な検討項目
    ざっくりとしたロードマップ

可能であれば、さらに細分化していきます。この段階で上司や先生など、第三者のチェックを受けておくと良いでしょう。

今回、パラグラフライティングの話をするので、全体構成は本題ではありません。
しかし、とても大事なプロセスで、全パワー(時間)の50%、場合によっては70%〜80%くらいを全体構成の検討に投下します。そうすることで執筆時のスピードが超速・爆速で上がります。
逆にこの段階を経ずに書き始めると、いくらパラグラフライティングができていても「抜本的な書き直し(手戻り)」が発生する可能性があります。


パラグラフライティングのポイントは「結論から書く」

繰り返しになりますが、全体構成の各パートをわかりやすく書くのが「パラグラフライティング」です。そして、パラグラフライティングのポイントはズバリ「結論を先に書く」です。このことに尽きると言って良いでしょう。

例えば、ビジネスでの課題を書くときに……

「今、日本は未曾有の危機に晒されています。第一にコロナウィルスの発生、これにより医療や個人の生活に大きな影響があり、ビジネス環境でも……」

と全体的なことから徐々に核心に向かって書きたくなります。
しかし、パラグラフライティングでは、次のように結論を意識した文章を先に持ってきます。

「急激な社会と市場の変化の中で、当社は事業モデルの変革が必要です。これは次に示す3つの変化に大きな影響を受けているためです。第一に…」

このように、冒頭で結論を表す文章を「トピックセンテンス」と言います。
その話題(トピック)で、何が言いたいかを表す一文(センテンス)という意味です。

これは文章だけでなく、わかりやすい説明をするビジネスYoutuberなどは、冒頭1分くらいのところで「結論から言うと」と言っています。 情報整理が上手く、無駄を嫌う人の共通した思考&スキルです。


冒頭のトピックセンテンスの書き方

では具体的にトピックセンテンスをどう書くか。こう考えてください。
上司や先生から「結局、お前はここで何が言いたいんだ」と聞かれたときに、「つまりこうだから、こうです」と答える「理由プラス結論メッセージ」の一言です。

先ほどの例で説明します。

急激な社会と市場の変化の中で、当社は事業モデルの変革が必要です。特に、次に示す3つの変化に大きな影響を受けています。第一に…

理由は「急激な社会と市場の変化がある」で、結論メッセージは「当社は事業モデルの変革が必要」です。

結論メッセージだけ述べると、突拍子もない話になるので、簡単な理由を添えて結論メッセージを明快に述べると、伝わりやすくなります。
詳しい理由や根拠は、続く文章で説明すれば良いのです。

先に言いたいことを語り、説明する内容のイメージを作ってしまうことが、読み手の分かりやすさにつながります。この先取りイメージのことを「メンタルモデル」と言います。

「いや、でも結論を先に言うと面白くないし……」と考えるかもしれません。
しかし、多くの場合、それは書き手の都合です。読み手からすれば、何を説明されるのかわからないモヤモヤはストレスでしかありません。結論に行く前に離脱したり、誤解が生じたりします。

とは言え、我々の脳の仕組み上、時系列で追っていく方が書きやいと思います。ひとまず時系列で書いていき、全部書けたところで後半の方にある結論を文頭に持ってこれないか検討するで良いと思います。

実は私もいまだにこのパターンで直すことが結構あります。
ざっと文章を書いたあとに、一番言いたい部分に下線かマーカーを引いてください。その文章が一番上にくればパラグラフライティングができていることになります。


後半部分の書き方

トピックセンテンス以降は、読み手のイメージ(メンタルモデル)に沿って、論理を展開していきます。
以降は、ダラダラと書いて良いのではなく、箇条書きや図(資料)を効果的に使って長文を続けないようにしましょう。

例えば「まず…次に…さらに…」という文章があったら、三つの箇条書きにしてください。
どうも文章として長文を書くことが美徳のような風潮があり、政府系の資料を見ていてもダラダラ文に辟易します。箇条書きではなく、文章をダラダラ書いた方が中身があるような錯覚に陥らせるある種の罠です(笑)

箇条書きは文章(論文)には不適切。そんな先入観は捨ててください。
特にビジネスにおいて読みにくい長文は駄文。書き手にとっても、読み手にとってもリソース(時間)の無駄遣いです。冒頭の結論に関連することを、歯切れ良く書いていくようにしてください。


以上です。いかがでしょうか?
最後は、厳しい口調になりましたがパラグラフライティングのポイントは「結論は先に書く」。トピックセンテンスは「理由プラス結論メッセージ」が基本ということで、まずは押さえていただければと思います。

この内容に関連して、以下の記事も参考になると思います。時間のあるときにご覧ください。


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