最も多くのビジネスシーンで使われ、仕事の生産性を高める思考・表現方法は何か?
ロジックツリー?戦略フレームワーク?
それも人によっては重要スキルです。しかし、もっと多くの人が使う基本的なものがあります。
はい、タイトルにありますね。それは「箇条書き」です。箇条書きを使いこなせる人は、間違いなく「生産性の高い(思考を持つ)人」と言えるでしょう。
最近は、「ビジュアルシンキング」や「グラフィックレコーディング」といった、図解技術がもてはやされます。しかし、図解は読み手側にも「図を読み解く」作業が必要で、説明がないと誤解が生まれる可能性があります。
私も図解は好きなのですが、多くの人に向けて、正しく、強いメッセージとして伝わるのはやはり「コトバの力」であり、中でも箇条書きは効率が良いと思います。どちらが良いと言うわけではなく、効果を理解してTPOをわきまえて、うまく使い分けたいものです。
箇条書きのメリットと、使い方のポイントについてまとめていきます。
目次
箇条書きを使うメリット
ビジネスにおいて、何かを考えたり説明したりするときに、箇条書きを積極的に使うことにはメリットしかありません。思いつくことを列挙しただけでも、次々と挙がります。
- 箇条書きだけでストーリー・骨子が考えられる
- 文書やプレゼンの全体像を簡潔に伝えられる
- 問題や課題をスッキリ整理できる
- 箇条書きは書きやすく、読みやすいので、伝達の時間短縮になる
- 物事の順序や、必要な事柄をわかりやすく伝えられる
特に何かのストーリーや構成を考えるときの効果が大きいと思います。私自身、このブログ記事も箇条書きで考えています。
議事録やレポートでも箇条書きで上から順に読んだ方が読みやすく、後から遅れてきたときに図だけで書かれたものを見ると、都度説明が必要になるので無駄が多いと思います。
「箇条書きは誰でも書ける」と思われる一方で、うまく使えない人が多いのも事実です。
では、どのようなときに、どのように使えば良いのか。以降にまとめていきます。
箇条書きの使い方①基本は小見出しとセットで使う
箇条書きは、分類をして、小見出しとセットで使うようにしてください。
特に、議事録を書くときは分類化する時間がないので、耳に入ってきたことを延々と箇条書きにすることが多いと思います。
しかし、そのままにすると、何の箇条書きかわからないので、「現状」「サービスの課題」「改善に向けたアクション」などのような小見出しで分類し、その内容を表すものだけ箇条書きに含めます。
個人的には、一つの見出しに3つ〜5つくらいの箇条書きが、読みやすい数だと思います。
注意としては、「○○について」という曖昧な小見出しにして、色々な要素を含めてしまうこと。「○○について」は厳禁です。問題なのか、対策なのか、内容が具体的にわかる小見出しにしましょう。
箇条書きの使い方②文章は短く1文(できれば1行)で書く
箇条書きは、基本は1文にしましょう。複数の文章はダメと言うことではないのですが、長い箇条書きは読みたくなくなります。複数の文章にする場合、二つの箇条書きにできないか考えてください。
また、できれば1行に収まる長さにすると良いでしょう。
前回の記事「コーポレート・トランスフォーメーションとは」で、以下のような箇条書きを書きました。
新しい会社の制度・仕組みのあり方(一部抜粋)
- 人材の多様性、開放性、新陳代謝サイクルは10年(平均就社期間10年)
- 能力制、男女平等の人材ポートフォリオ
- ジョブ型雇用、通年採用・転職に前向き、再入社歓迎
- 能力ベースのフラットな組織階層構造
- 意思決定は、スピードと実効性重視 (以下略)
もともとは、複数行にわたるものも、読みやすさを考慮してできるだけ(PCサイトで)1行に収まる長さにしています。
もし、複数行にわたる場合も、冒頭の「・」のところに突き抜けないように、字下げして、文字の先頭位置を併せましょう。
箇条書きの使い方③文章中の列挙は箇条書き化する意識を
箇条書きとは区別して、文章を書いているときでも、列挙が始まった時に箇条書きに変換できることがあります。例えば次のようなケースです。
(例)
営業で負けないためには、綿密な事前の調査、お客様の要望を聞き出すヒアリング、訪問後の迅速なレスポンスが重要になります。
(箇条書き後)
営業で負けない三つの方法
- 綿密な事前の調査
- お客様の要望を聞き出すヒアリング
- 訪問後の迅速なレスポンス
このくらいの長さでしたら、箇条書きを使う効果は薄いかもしれません。
しかし、文章を書いていく中で「物事の列挙」が始まったら箇条書きを使うようにすると構造化され、読み手の理解のスピードが早まります。
箇条書きの使い方④短くても具体的に表現する
箇条書きを使ったことで読みやすくなっても、書いてあることに中身がなければ意味がありません。中身と、重要さなどについて次のような点で見直すと良いでしょう。
・企業名、人名、数字などを具体的に書いてリアルな情報にする
・生々しい状況や、動きがイメージできる表現にする
・未来のことは、曖昧な「表現」ではなく、言い切る「表明」にする
・重要なものが先に来るようにする
・大して重要でないものは削除できないか考える
上記以外にも、箇条書きをもっと印象的にする表現の仕方は、「超・箇条書き」に詳しく書いてあります。コミュニケーションのスピードを上げたい方は、特に後半部分の内容がオススメします。
超・箇条書き
「○○ではなく、□□」のような否定フレーズや、「○○よりも、□□」のようなインパクトの付け方や、数字の上手な使い方など、箇条書きをさらに磨くテクニックが書かれています。
この記事の中でも、箇条書きをいくつか使っていました。
特に強く意識していたわけではないのですが、私なりにわかりやすくしようとした結果が、このような表現になっています。
当たり前のものだと思われていますが、もっと注目されて良い技術だと思います。