文章の書き方

ターゲット(読者・お客さま)視点で文章を書く方法【フキダシ活用法】

投稿日:2020年6月6日 更新日:


「文章を書くときには、必ずターゲット(対象読者)を意識せよ」と言われます。

日記のように趣味で書くようなものであれば、ターゲットなど気にせず書けば良いでしょう。しかし、Webサイト、チラシ、顧客提案など、お客さまを意識したビジネス文書では、ターゲットを意識することが重要です。というか必須です。

と言っても「なかなか読み手の目線で書けない!」と嘆いている方は多いと思います。

そんな方に向けて、できるだけシンプルに、ターゲット視点で書く方法をまとめます。
これを読めば、短い時間でターゲットの気持ちに寄り添えるようになります。


ターゲット(読者)視点で文章を書けない理由

文章を書くという行為は、極めて主体的で個人的な作業です。
どうしても文章を書く側は「書きたい」「伝えたい」気持ちが先行しがち。一生懸命書いたところで、ターゲットとなる読み手の「読みたい」「知りたい」気持ちとズレが生じやすくなります。

例えば、「新しい商品の豊富な機能を伝えたい」と思って、機能説明を次々と書いていったとします。
しかし、読みたい人の「読みたい」「知りたい」につながらなければ、複雑な機能の羅列であり、機能説明を読む前、読んでいる途中に脱落する可能性があります。

一方で、読みたい人の悩みに寄り添って「あなたのお悩みは、○○(機能)が解決します」とピンポイントで書いてあげた方が、読み手の「読みたい」「知りたい」に合致します。

「書きたい思いで書く」ことと、「読みたい気持ちを理解して書く」ことでは、スタート地点で大きく違うことがわかります。


自分を抑えて、ターゲット(読者)を設定

書き手と読み手のズレは、書き始める段階で生じているので、最初にやるべきことは、いったん自分の「書きたい」気持ちを静めること。

そして、ターゲットが誰で、どのような課題や欲求を持っているのかを考えることから入ります。

ターゲット像の設定

まず紙でもテキストエディタ(メモ帳)でも何でもよいので、ターゲット像を箇条書きで書いてください。
その人の年齢・性別。生活に関する情報、悩みごと、知りたいことなど。ターゲットを想像しながら書いていきます。

(例)ターゲット像

・60代半後半、特に女性
・子どもは社会人として独立し、家は夫と二人で生活
・家のローンも払い終え、お金に関する不安はない
・少しずつ気力の衰えがあり、家事がしんどくなってきた
・慢性的に、ひざや腰の痛みがある ・誰か助けてくれるならうれしい
・ひとこと、ふたこと会話できる人が居ると楽しい

ちなみに、新製品検討やインターフェース設計などで、ターゲットを見極める「ペルソナ」という手法があります。
素晴らしい手法ですが、限られた時間で文章を書く際には、コスパが悪く適さないでしょう(考え方を学ぶのは役立つと思います)。

ゴールの設定

文章のゴール(目的)は自明のことだと思いますが、書いているときでも常に意識するために、ターゲットと合わせてゴールも書き記しておきましょう。

(例)その文章(記事や広告)のゴール

高齢者から、家事代行サービスの相談(問い合わせ)をしてもらう。

問い合わせなのか、申込なのか、それとも単に知ってもらうことで良いのか。
設定したゴールによって、最後に読んでもらう部分の文章(クロージング)が変わってきます。


ターゲットの気持ちに入り込むビジュアル化

ターゲットの気持ちに入り込む良い方法として、「フキダシ」で表現する方法があります。
ターゲットに近しい画像やイラストを持ってきて、その人が不安や欲求など、感じていることをフキダシを作って入れていきます。

ここで大事なのは、状況を表す表現ではなく、ターゲットの言葉で書くことです。
例で示します。

❌ 状況を表す表現:「ひざ・腰の痛みがある」「ゴミ捨てが困難」
⭕️ ターゲットの言葉(気持ち):「最近、ひざが痛くて……」「ゴミ捨て場が遠く感じる」「夫は手伝ってくれないし……」など

表現は具体的で生々しいほど良いと思います。
「面倒だな」「もっとお金があるといいなぁ」など心の声をイメージして書いてください。
こうすることで、自然と、ターゲットの気持ちが意識づけられます。

実はこれ、実はそのまま文章の書き出しにも使えます。
吹き出しにお悩みが書かれた記事、よく見かけませんか?

ターゲットの気持ちが想定できると、具体的な課題から入る文章が作れるようになり、その後の文章(解決策)もぐっと良くなってきます。

イメージを探すのが面倒であれば、まずは手書きで良いと思います。


超絶書きやすい!右脳派のおすすめ方眼ノート「大成紙器製作所 PAD NOTE」
私は仕事で使うアイテムには、こだわりがあります。 文章を書くときや、アイデアやストーリーを考えるとき、には、必ず手書きから入るため、ノートの使いやすさには徹っっ

ターゲットのイメージ化の効果

このように、ターゲットをビジュアル(イラスト)化することで、次のような効果が得られます。

  • 関係者間の認識を共有しやすくなる
  • ターゲット(読者)の悩みや課題に思いを巡らせやすくなる
  • ターゲット(読者)に響くストーリーを考えやすくなる
  • ターゲット(読者)に馴染みのある言葉遣い・表現・見せ方を意識できる
  • ビジュアル化したものは、そのまま書き出しに使える

まとめ:ターゲット(読者)視点で文章を書く方法

少し長くなってきたので、まとめます。

文章を書く前に、ターゲットを意識して書きましょう。
ポイントは以下のとおりです。

  • 文章をいきなり書き始めない。「書きたい」気持ちをいったん抑える
  • ターゲット像とゴールを箇条書きで書く
  • ターゲットの悩みや、欲求などの心の声をイメージと合わせてフキダシで書く
  • ターゲットの気持ちからゴールに導くようにストーリー(構成)を考える

ここまで考えて、ようやく文章を書き始めます。


ターゲット視点で書く方法、いかがでしたでしょうか。
ビジュアル化は結構使えるので、ぜひ一度お試しください。

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