「株式投資を始めたいという気持ちはあるけれど、良くわからないし、なんか面倒くさそう……」という方にオススメの本があります。
ズバリ「バカでも稼げる『米国株高配当投資』です」。
バカでも稼げる 「米国株」高配当投資
著者のバフェット太郎氏は、独特の乱暴な語り口で投資に踏み込めない人(著者の言う”ど”がつく素人)の背中を押してくれます。
投資先は米国株一択。中でも長年高配当を続けている企業への投資を勧めています。
株式と聞くだけでも怖いのに米国株なんてレベル高過ぎ……と思う人かもしれません。しかし、著者曰く米国株への投資は「スタバでフラペチーノ飲むくらい簡単」だと言います。
かくいう私も、今年からつみたてNISAで米国のインデックス投信(S&P500)を買い始めたので、この本を読んで米国株の理解が深まりました。
さくっと知りたい方は、本を読む前にバフェット太郎氏のYoutubeを見ると良いと思います。有料級の情報で、説明がわかりやすい!
バフェット太郎氏のオススメ投資法について、今回は紹介したいと思います。
米国高配当投資(長期投資)を推奨する理由
著者であるバフェット太郎氏が米国高配当株をオススメする理由は、ズバリ長年の実績を元にしたパフォーマンスの高さです。
まず、債券と株式の比較。
資料を元に過去200年のパフォーマンスを比較したところ、どの時代でもリターンは、株式が債券を上回っています。
著者のスタンスは、基本は売らない長期保有。10年15年20年と考えると、物価は上がる(インフレ)傾向と見るため、インフレに弱い債券は投資候補になりません。
これはどういうことかというと、債券利回りが2%として、インフレ率が2%を超えると実質的な儲けは無くなります。一方、物価の上昇は企業の業績や株価にプラスに働くことが多く、長い目でインフレになるなら、株式の方がリターンが大きくなると言う理屈です。
この点に関しては、こう語っています。
株式に長期投資してないとインフレで悲鳴上げて死ぬかもよ
次に日本株と米国株の比較。
不況期も含めて25年以上連続増配しているのは、米国は100社以上、日本はたったの1社(花王)のみ。
飲料、日用品、ヘルスケア分野の企業の営業利益率を比較して、米国企業と日本企業では段違いの差があります。つまり、利益から配当が支払われるので、高配当を受け続けられるポテンシャルは米国の方が圧倒的に高い。
この結果を受けて、バフェット太郎氏はこう言います。
ね? 米国株と日本株を比べるとまるで日本株がゴミのようでしょ?
悪態をついているかのような語り口がクセになります。(笑)
S&P500ETFの投資または個別銘柄の分散投資
米国株は英語ができなくても、余裕で買える。特に素人は米国市場に広く投資できるS&P500ETFの購入が良いというのが、著者だけでなく、本家ウォーレン・バフェット氏も推奨している投資法です。
S&P500とは、米国主要企業の株価を元に算出された指数です。仮に500社の中の一社が倒産してもゼロになることはなく(影響もざっくり500分の1)、個別株に投資するよりも断然ローリスクです。
バフェット太郎氏は、コカコーラ、P&Gなど個別株に分散投資して、オリジナルの「マネーマシン」を作り、S&P500ETFを超えるハイリターンを目指しているそうです。
銘柄数は8〜16銘柄が「おいしい薄め具合」で、セクター分散についても、リスクや景気動向から、独自の考え方が紹介されています(オススメ銘柄や、セクター分散の詳細は長くなるので、書籍で確認してください)。
確実に設けるためには投資ルールをつくることが大事
投資で成功するには、そのときの気分に流されるのではなく、ある意味機械的に実行できるルールが必要だと著者は強調しています。この本に何度も出てくる「クソダサい投資家」(笑)は、例えば次のような投資をしています。
- 向こう見ずな全力買い
- 底値を狙っての買い
- 頃合いを見計らっての配当投資の先送り
- 妬みと焦りで投資
- 勘違い銘柄分析を元にした投資
これらはすべて、個人の欲望に影響された投資なので、ギャンブルをしているようなもの。
基本的には欲深くならず臆病であり続けること。こういった欲望に左右されず、例えば毎月固定で購入や配当再投資、リバランスをすることを強く勧めています。
投資の知識ゼロの人にも納得感のある堅実な投資法が、データと理論を交えながら”汚い言葉で”丁寧に(笑)説明されています。
マンガのように、あっという間に読了してしまいましたが、マンガのように何度も読み返す一冊になりました。これまでにない愉快痛快な投資本です。