ピーター・ドラッカー教授といえば、経営のあり方、マネジメントを体系化し、多くの書籍にまとめたことで有名です。
でもなんかちょっと難しそうだし、経営者または管理職が読むものかな…と思ったら大きな間違いで、それこそ若手や新入社員、学生が読んでも得ることがたくさんあります。
特に、なんとなく自分の向かうべき道で不安になっている方、一度ドラッカー教授の本を読んでみると、背中をバシッと叩かれるような感じになります。
今回は、自己成長に関するドラッカーの名言を紹介しながら、私の解釈(感じたこと)も加えていきたいと思います。
成長は自己責任
自らを成果をあげる存在にできるのは、自らだけである。
『非営利組織の経営』
この言葉を単に「当たり前のこと」と取って片付けるか、もしくは成果をあげるためにどういった目標を立て、どういった挑戦を行なっているかを意識し、行動をとっていくか。捉え方で大きな差がつきます。短い中に、深みのある言葉だと思います。
この言葉の中で「人は、自分が持つものでしか仕事ができない」ともあります。
つまり、自分の意思や気持ちだけでなく、それらを実行に移すだけの技術や知識をしっかり持ちなさい、と言う強いメッセージを感じます。
自己開発の本質
自己開発とは、スキルを習得するだけでなく、人間として大きくなることである。おまけに、責任に焦点を合わせるとき、人は自らについてより大きな見方をするようになる。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。一度身につけてしまえば失うことのない何かである。目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。
『非営利組織の経営』
ここでいう「外なる成長」とは、成果をあげるための技術やマネジメント能力のことです。
一方で「内なる成長」というのは、いわゆる人間の器であり、ビクともしない信念、人や物事を 受け入れる度量、バランス感覚などです。
問題は「内なる成長」をどう高めるか。もし、いつまでも他人に依存しながら物事に取り組んでいると、内なる成長が見込めません。どこかで自分の意思で判断し、周囲のことを含めて責任を取ることを選択しないと、内なる成長も見込めないことを実感させられる言葉です。
卓越性を追求する
自らの成長のために最も優先すべきは卓越性の追求である。そこから充実と自信が生まれる。(中略) 能力なくしては、優れた仕事はありえず、自信もありえず、人としての成長もありえない。
『非営利組織の経営』
ドラッカー教授は卓越性を追求するために、次のようなプロセスが必要と述べています。
・卓越性を得る分野や能力を決めること
・それを獲得するために、時間やエネルギー、お金などを集中させること
・卓越性を究めるために自分の強みを徹底的に利用すること
必ずしも卓越性は技術である必要はなく、「利他の精神」「継続する力」といった要素も卓越したものになりえます。例えば、イチロー選手の「継続する力」は、誰が見ても卓越しています。
ただし「得意」とか「褒められる」というレベルではなく、「卓越」なので、1年やそこらで、身に付くものではありません。今は卓越してなくても、自分はこれでやっていくと腹をくくって、そこに資源を集中することが大事だと、ここでも自覚・自省が求められます。
「エッセンシャル思考」に通ずるところがあります(記事はこちら)。
先日記事にしたメンタリストDaigoさんの「稼ぐ無限ループ」も同様の考え方だと思います(記事はこちら)。
ドラッカー教授の本は、突き刺さる言葉のオンパレード
もはや古典に近いような趣さえありますが、ドラッカー教授が残した経営哲学、マネジメントの考え方は、いわば「社会人全員に向けた仕事学」であり、「人間の成長」に言及したものだと思います。古臭さは全くありません。
ドラッカー教授の本は、あまりにも名著ばかりなので、コンパクトにまとまったものやマンガになったものもあります。
たくさんありますが、とりあえずどれから初めても良いと思います。
名言は他にもたくさんあるので、また機会があれば紹介したいと思います。