マネジメントスキル

「7つの習慣」:成功する人になる自立・成長のステップ【第1〜第3の習慣】

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数あるビジネス書の中で、もっと若い頃に読んでおけば良かった……
と感じているのが「7つの習慣」です。
日本語版の発行から20年以上(原著からは30年以上)も経つというのに、今もなお、増刷され、ほとんどの書店に置いてある名著です。



完訳 7つの習慣 人格主義の回復


「7つの習慣」とは何か。
誤解を恐れず超ざっくり言うと、未熟な自分が自立して、影響を及ぼす範囲を広げながら、仕事・人生で成功するために必要な7つのステップです。

従業員の「モチベーションの問題」、個人の「働きがいの問題」を突き詰めると、年齢に関係なく、自立に至る「第3の習慣」までのところに問題があるように思います。

すべて書くと長くなるので、この記事では「第3の習慣」まで取り上げたいと思います。


7つの習慣とは?

7つの習慣には、未熟な状態から自立して、他者と協調し、影響を及ぼすほどに成長するまでのステップが書かれています。

大きく「依存から自立」「自立から相互依存」という2つの段階があります。
「相互依存」は、ちょっと聞き慣れないですね。これは、他人と協力しあって生きる境地のようなもので、自分の成功に止まらず、周囲の人とさらに高い成果を上げるための状態・マインドです。

7つの習慣は次のように振り分けられます。

  • 「依存」から「自立」に向かう3つのステップ
    第1の習慣:主体性を発揮する
    第2の習慣:目的を持って始める
    第3の習慣:重要事項を優先する
     
  • 「自立」から「相互依存」に向かう3つのステップ
    第4の習慣:Win-Winを考える
    第5の習慣:理解してから理解される
    第6の習慣:相乗効果を発揮する
     
  • 上記6つの習慣を繰り返し実践して、さらに磨いていく習慣
    第7の習慣:刃を研ぐ

第1の習慣が100%理解しなくても、第2・第3のステップに進めます。
ただし、個人としての自立なくして、相互依存への到達はありません。

自立していても、相互依存的に考えたり行動したりするまで成熟しきれていない人は、独立した生産者として好業績を上げることはあっても、チームの良いメンバーやリーダーになることはできない。

(7つの習慣「人生の扉を開く」)

まず「第3の習慣」まで理解・実践して、自立することが求められます。
第1の習慣から見ていきましょう。


第1の習慣:主体性を発揮する


自立に向かって最初に獲得すべきは「主体性」です。

本書の著者・コヴィー博士は、主体性とは「率先力を発揮するだけでなく、自分の人生に責任を持つこと」だと定義しています。
裏を返すと、他人に言われたことに無責任に従っているだけの人は主体性がなく、人生の責任を放棄している状態と言えます。

主体性のない人は、他人に対して反応的になりやすいのが特徴です。
他人の言動に批判的になったり、誰かの愚痴をこぼしたり……そんな人、周りに居ませんか? かくいう私も社会人になりたての頃は毎日愚痴ばかりでした。

愚痴ばかりでは、関心が外に向いており未熟な状態です。
自分で責任を取ることに決めた時点で、言葉が変わり、結果が変わり、成長力が高まります。
このように、自分に目を向ける望ましい状態のことを「インサイドアウト(内から外へ)」と言います。

コヴィー博士は、自分の内にある「影響の輪」を広げよ、という言い方をしています。
主体性のない人は、他人の欠点や周囲の状況という「関心の輪」の面積が大きく、主体的な人は自分でコントロールできる「影響の輪」が大きく、少しずつ広げていく特徴があると言います。


第2の習慣:目的を持って始める


第2の習慣は、自分の人生において何が大切かを見極めるステップです。
7つの習慣のうち、最も多くのページ数が割かれている重要な習慣です。

人生は、「夫婦関係」「家族」「お金」「仕事」「友人」など、様々な要素で構成されます。 自分にとって大事にすべきことは何か。
もちろん、人によって異なりますし、一つに選ぶこともできないでしょう。
何か一つを選ぶのではなく、自分自身に向き合って、「個人のミッションステートメント」を書くことで、どのような状況でも適切な判断ができるようになると言います。

「個人のミッションステートメント」は、自分の人生に問われていることは何かを考え、以下の要素が含まれる自己宣言を書くことだと言います。

良い自己宣言には、五つの基本的な要素が含まれている。 「個人的」であり、「積極的」であり、「現在型のもの」であり、「イメージできるもの」であり、「感情を表したもの」である、という五つだ。

(7つの習慣「第二の習慣・目的を持って始める」)

ちなみに、コヴィー博士自身のミッションは、「誠実に生きて人の役に立つこと」であり、そのために夫、父親、学者など、それぞれの役割を定義していることが、「7つの習慣」の中に明記されています。

組織の成功においても、ミッションステートメントが重要であることは言うまでもなく、ミッションステートメントを書くだけでなく、従業員がしっかり認識していることが大事になってきます。


第3の習慣:重要事項を優先する

主体性と目的が明確になったところで問われるのが、自立に向けた「行動力」です。
主体性を持ったとしても、目先にあることを片っ端から手をつけていったのでは、どこかで手に負えなくなり破綻します。
そんなことがないように、重要度から優先事項を導き、自分の資源(時間・労力)を割いていきます。

有名な時間管理のマトリックスです。

多くの人は、第一領域に時間を多くの割き、残りをストレス発散などの第四領域に使うと言います。また、実は第一領域と思っていたけど、大して重要で会議などの第三領域に使っている例も多いと言います。

効果的に人生を営む人は、第二領域に時間を投資する人で、自分のスキルや人間関係づくりに集中することで、価値を高めていきます。

とは言え、第一領域で膨れ上がった仕事をどう処理すれば良いか?
解決法としては、重要に見えるだけのものは「ノー」という勇気を持つこと、また、日単位でなく週単位で計画を立てることがポイントだと言います。

この点について、最も私が頷かされたのは「デレゲーション」です。
デレゲーションとは、つまり「自分でやらずに人に任せる」ことです。自分でやらなければならないという前提を外し、他の人に任せて多くの成果を出す。
これができれば「単なる生産者」から「生産性の高いマネージャー」になる第一歩を踏み出せます。

ただし、単に作業指示する「使い走りのデレゲーション」ではなく、手段を選択する自由を与え、結果に責任を持たせる「完全なデレゲーション」を行えば、長期に渡って高い価値を生み出せます。


第3の習慣までを簡潔にまとめたつもりでしたが、長くなりましたね。

繰り返し読んでも、新しい味わいがある”スルメ本”。
自分の成長とともに読み直すことで、引っかかるポイントが変わってきます。
書棚に置いておきたい一冊で、できればマンガではなく、書籍版の購入をお勧めします。



完訳 7つの習慣 人格主義の回復

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